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わたしのファミリービジネス物語

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地元に根ざして、自らの力を磨くファミリービジネスの経営者や後継者、起業家の方々を紹介していきます。波瀾(はらん)万丈の物語には、困難を乗り越える多くのヒントが詰まっています。
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#人材育成

「下積み」「修行」は通用しない。職人じゃない左官屋のアトツギが、新時代の若手・女性職人育成術を編み出すまで

東京都文京区の「原田左官工業所」は、女性や若者が活躍する左官屋さんです。3代目経営者の原田宗亮(むねあき)さんは、建築業界にありがちな「技術は見て覚えろ」式の職人育成法を大きく見直し、女性や若者が働き続けられる会社に作り替えることで、デザインを武器にした「提案型左官」の道を突き進んでいます。1000年以上前の奈良時代には既に存在していたという左官業。原田さんの「変革」を追いかけます。 原田左官工業所は、父宗彦さんが経営していた頃から、業界では「いっぷう変わった左官屋さん」

中小企業の心の通う人材育成法。ビューティアトリエ代表、郡司成江さんのトークイベントを開催します

ファミリービジネスをもっと楽しく、生き生きしたものにしたい。そんなふうに考える「リファラバさん」たちを招いて、これまでの経験や経営の勘所を聞くトークイベント「リファラバさんと話そう」を開催します。 リファラバ(Refalover)は、 Re:もう一度、地元の(region) Fa:ファミリービジネスの価値を Lover:愛を持って高め合う人たち(の場) という意味を込めています。 「リファラバさんと話そう」は、連載「わたしのファミリービジネス物語」に登場いただいた経営者や

「ビューティアトリエはもう美容室じゃない!」人材を育てる事業展開で「強くて温かい組織」をつくろう【第四話】

宇都宮市を中心に美容室やエステサロンを展開してきたビューティアトリエのグループ代表、郡司成江さんは「しあわせ創造企業」というビジョンを掲げ、近年、カルチャースクールやコミュニティースペース、スイーツ、農業、海外へと事業領域を拡大させています。 それを支えるのは、会社の屋台骨となる右腕人材をはじめ、社員たちの潜在力を生かす人材育成。「強くて温かい組織」づくりを目指す郡司さんの挑戦です。 社員が輝くから会社も輝く 「ビューティアトリエの一番商品は社員です」。2010年、46歳

「経営者はわたし」厳格な母との対立が教えてくれたこと【第三話】

「ビューティアトリエの一番商品は社員たち」。宇都宮市を中心に美容室やエステサロンを展開するビューティアトリエグループ代表の郡司成江さんは1996年、自らが美容師として店に立つことはやめ、経営者としての力を磨いていく決心をします。そう思い至った郡司さんでしたが、人材育成の方針を巡って、創業者である母親との対立を経験します。 自分の仕事は「社員を輝かせること」 英国留学やパリコレでの経験を積み重ね、自分の腕で「ビューティアトリエを引っぱっていこう」と考えていた20代の頃の郡司

「あんたなんて大嫌い」から始まった跡取り娘の修業時代【第二話】

「一番大変なところに戻りなさい」。宇都宮市を中心に美容室やエステサロンを展開するビューティアトリエグループ代表の郡司成江さんは1989年、楽しいことばかりだった英国留学を終えて帰国を決めます。恩師の言葉に従い、郡司さんが向かったのは、母親が経営する実家の美容室。後継ぎとしての苦闘が始まります。 一番大事で一番大変な実家へ 「一流のヘアメークになる」。その夢をかなえるため、英国ロンドンに渡って2年半。有名美容室ヴィダルサスーンの美容師養成学校で学んだ後、現地のヘアサロンで働

ビジョンと社員をつなぐ!強くて温かい組織ができるまで【第一話】

人材は会社の宝。そう思ってはいるけれど、何をどうすれば、より良い人材育成ができるのだろう。会社のミッションとビジョンを掲げれば「できあがり!」ではなく、それを社内に浸透させ、社員一人一人の幸せと方向を合わせていく。宇都宮市を中心に美容室やエステサロンなど約20店を展開するビューティアトリエグループ代表の郡司成江さん(58)は、そんなファミリービジネスを実践しています。「強くて温かい組織」ができるまで。郡司さんの歩みを追いかけていきましょう。 「強くて温かい組織」の手掛かりは