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わたしのファミリービジネス物語

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地元に根ざして、自らの力を磨くファミリービジネスの経営者や後継者、起業家の方々を紹介していきます。波瀾(はらん)万丈の物語には、困難を乗り越える多くのヒントが詰まっています。
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#事業承継

動画で知る「M&A=第三者事業承継」~私が家業を託せる人を見つけられた理由

石川県白山市の豆腐店「山下ミツ商店」の山下浩希さんは2021年10月、30年以上にわたって経営してきた会社を、茨城県取手市を本拠地とする同業の「染野屋」に売却しました。後継者が不在だったことが一番の理由でしたが、人生をかけて育ててきた会社を譲り渡すことには、大きな葛藤が伴いました。山下さんのドラマを前後編の動画にまとめました。 前編前編(8分33秒)は、以下の2章で構成されています。 ・「後継者問題」 ・「M&A=第三者承継を考えるまで」 後編後編(12分57秒)は、以下

リストラされること2回…跡取り娘が「ものづくり」のバトンを引き継ぐまで

ファミリービジネス(家業)をどう次世代に引き継ぐか。社長である父、夫が突然亡くなった場合など、事業を引き継ぐ準備をしていなければ、なおさら難題になる。 東京都大田区の精密金属加工メーカー、ダイヤ精機社長の諏訪貴子さんも先代である父保雄さんを病気で失い、主婦から突然、社長を引き継ぐことになった。事業売却をすすめる取引先銀行との衝突、リストラを乗り越え、職人や社員をまとめあげて、わずか3年で事業を立て直した諏訪さん。ドラマのモデルにもなった「跡取り娘」の記録です。 父の余命は

【無料イベント】私が家業を託せる人を見つけられた理由。事業承継トークイベントを開催します

後継者をまだはっきりと決められていない。第三者事業承継の可能性を考え始めた。家業に対する思いをシャープにしたい。そんな方々にオススメのトークイベント「リファラバさんと話そう〜私が家業を託せる人を見つけるまで」を5月25日(木)午後7時から、開催します。 ゲストは、130年以上続く家業の豆腐店「山下ミツ商店」(石川県白山市)を第三者事業承継した山下浩希さんと、山下ミツ商店の屋号と商品をそのままに会社を引き継ぎ、移動販売をテコに事業拡大に乗り出した同業の染野屋(茨城県取手市)の

後継者不在の葛藤。「自分があこがれた経営者」に第三者事業承継するまで

石川県白山市の豆腐店「山下ミツ商店」の山下浩希さんは2021年10月、30年以上にわたって経営してきた会社を、茨城県取手市を本拠地とする同業の「染野屋」に売却しました。人生をかけて育ててきた会社を手放す。大きな葛藤がありましたが、後継者がいないこともあって決心しました。後継者難による第三者事業承継や廃業は、多くの中小企業が直面する課題でもあります。山下さんのドラマを通じて考えます。 家族経営の豆腐店「商いって面白い」山下ミツ商店は、日本三霊山に数えられる白山のふもと、旧白峰

起業志望の青年が農業を「かっこよくて・感動があって・稼げる」の新3Kにするまで

湘南・藤沢の地に、農業をこれまでの「きつい・きたない・危険」の3Kから、「かっこよくて・感動があって・稼げる」の新3Kにしたいと奮闘している家業経営者がいます。みやじ豚社長の宮治勇輔さんは、父昌義さんから事業を引き継ぎ、弟大輔さんとともに養豚業を営んでいます。宮治さんは養豚業を法人化し、ミシュランの星付きレストランで、みやじ豚を使ったメニューとして提供されるほどのブランド豚に育て上げました。そんな宮治さんの挑戦の記録を報告します。 学びの日々…「起業家になりたい」湘南の海か

先代と衝突!無理やり始めた「第二創業」が本業をアップデートする。オレンジトーキョー×小高莫大小工業・小高集さんのトークイベントを開催します

町工場の「ワナ」から抜け出そう下請けから脱却して消費者と直接つながりたい。 技術はあるけど、自社商品の開発が進まない。 事業承継や会社株式の譲渡で壁にぶつかっている。 そんな悩みを抱えている方々にお薦めのオンラインイベントを開催します。 ファミリービジネスの経営者や後継ぎの方々から、これまでの経験と経営の勘所を聞くトークイベント「リファラバさんと話そう」。12月9日(金)にお招きするのは、北欧風のカラフルな布草履「MERI(メリ)」を製造販売するオレンジトーキョー(東京都墨

社長解任!?非情な父親に突き落とされたアトツギが再び会社を継ぐまで

北欧風のカラフルな布草履「MERI(メリ)」を製造・販売する東京・墨田の「オレンジトーキョー」。創業者の小高集(つどい)さんは、終戦間もなく創業した「小高莫大小工業」の後継ぎでしたが、父親との対立で会社を追われ、「ムリヤリ第二創業」の道を歩んできました。小高さんがまず挑んだのは、顧客ニーズに基づかず、自社の論理で製品を作ってしまう「プロダクトアウト」からの脱却。その苦闘を描きます。 小高さんの自己紹介はこんなふうに始まる。 ビジネススーツの生地のように伸縮しない織物に対し

SDGsな豆腐店が熱量を集めて世界を救う 「染野屋」の小野篤人さんのトークイベントを開催します

経営者としての熱量をどう保てば良いのか。社員たちの本気を引き出す方法とは。自分なりのSDGs(持続可能な開発目標)経営を始めたい。そうした思いのある方々にお薦めのオンラインイベントを開催します。 ファミリービジネスの経営者や後継ぎの方々から、これまでの経験や経営の勘どころを聞くトークイベント「リファラバさんと話そう」。10月21日(金)にお招きするのは、茨城県取手市に本拠地を置く豆腐店、染野屋社長の小野篤人さんです。 義父の死去に伴い、妻の実家の豆腐店を継ぐことになった小

近所のお豆腐屋さんを継いだヤンチャな「婿殿」がSDGsに目覚めるまで

茨城県取手市を本拠地に、お豆腐を製造・販売する「染野屋」は、江戸時代末期の文久2(1862)年に創業し、160年近い歴史を誇る老舗です。八代目「染野屋半次郎」を襲名した社長の小野篤人さんは、実はお婿さん。結婚するまでお豆腐屋さんを継ぐなんて、考えたこともありませんでした。 ありふれた「近所のお豆腐屋さん」を飛躍させ、今では大豆ミートの販売や大豆の有機栽培、地域の豆腐店の事業承継へと、どんどんフロンティアをひらいていく小野さんの物語です。 ◆自由と自立「一国一城のあるじ」にな

「ビューティアトリエはもう美容室じゃない!」人材を育てる事業展開で「強くて温かい組織」をつくろう【第四話】

宇都宮市を中心に美容室やエステサロンを展開してきたビューティアトリエのグループ代表、郡司成江さんは「しあわせ創造企業」というビジョンを掲げ、近年、カルチャースクールやコミュニティースペース、スイーツ、農業、海外へと事業領域を拡大させています。 それを支えるのは、会社の屋台骨となる右腕人材をはじめ、社員たちの潜在力を生かす人材育成。「強くて温かい組織」づくりを目指す郡司さんの挑戦です。 社員が輝くから会社も輝く 「ビューティアトリエの一番商品は社員です」。2010年、46歳

「経営者はわたし」厳格な母との対立が教えてくれたこと【第三話】

「ビューティアトリエの一番商品は社員たち」。宇都宮市を中心に美容室やエステサロンを展開するビューティアトリエグループ代表の郡司成江さんは1996年、自らが美容師として店に立つことはやめ、経営者としての力を磨いていく決心をします。そう思い至った郡司さんでしたが、人材育成の方針を巡って、創業者である母親との対立を経験します。 自分の仕事は「社員を輝かせること」 英国留学やパリコレでの経験を積み重ね、自分の腕で「ビューティアトリエを引っぱっていこう」と考えていた20代の頃の郡司